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前田 裕司*; 松本 徳真; 加藤 輝雄; 須貝 宏行; 大塚 英男*; 左高 正雄
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 232(1-4), p.312 - 316, 2005/05
被引用回数:1 パーセンタイル:14.45(Instruments & Instrumentation)本研究は原子力材料での照射効果の機構を理解するために、重要な研究課題の一つであるカスケード損傷の構造を明らかにすることを目的としている。照射欠陥の生成や回復などの過程はこれらを凍結することでその素過程を調べることができるため、極低温での実験が不可欠である。しかし、このような低温での研究の報告例は少ない。また、微小サイズの照射欠陥を調べるには電子顕微鏡でも困難であり、最も有力な測定方法としてX線散漫散乱法がある。X線散漫散乱はブラック角近傍のX線の散乱である。本報告は低温のままで重イオン照射とX線回折ができるクライオスタットを開発し、これを用いてX線散漫散乱の測定による照射欠陥の解析をしたものである。実験はNi単結晶試料にタンデム加速器の127MeVのヨウ素イオン(I)を16Kの温度で照射し、35K以下の温度でX線散漫散乱の測定を行った。その結果、散漫散乱強度はqをブラック角からのずれとして、q乗及びq乗の依存性が観測された。これは、生成された欠陥は点欠陥だけではなく、クラスターも形成していることを示すことから、カスケード損傷の形成を示唆するものである。また、室温までの焼鈍により、クラスターは格子間原子型では成長し、空孔型では変化しないことがわかった。
S.M.Spiessberger*; K.Humer*; H.W.Weber*; E.K.Tschegg*; H.Gerstenberg*; 宇田川 昂
Advances in Cryogenic Engineering Materials, Vol.44, p.191 - 195, 1998/00
種々のGFRP積層板(S-ガラス繊維を双方向に配した補強材を持つエポキシまたはビスマレイミド樹脂)について、77Kのショートビームせん断試験を行うに先立ち、室温で2MeVの電子線並びに室温と5Kで異なる原子炉の放射線を用いて約270MGyの線量域まで照射した。低温照射した後試験片の半数は77Kで試験をする前に室温に戻すアニーリングを行った。積層板の層間せん断強度に対する異なる放射線源、照射温度、アニーリングサイクルに及ぼす影響についてそれぞれの結果を比較し、議論した。
石川 法人; 知見 康弘; 岩瀬 彰宏; 鶴 浩二*; 道上 修*
Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.1924 - 1928, 1998/00
被引用回数:9 パーセンタイル:60.39(Materials Science, Multidisciplinary)高温超伝導体において低温(100K)でイオン照射を行い、電気抵抗、臨界温度の照射量依存性及び300Kまで温度上昇したときの欠陥のアニーリング効果について調べた。その結果、イオン種が変わってもエネルギーがMeV領域のときは、電気抵抗は欠陥密度のみに依存することがわかった。それに対して、臨界温度は欠陥密度のみによらず、試料中の欠陥の空間分布による可能性を見出した。300Kまでアニーリングすることによるアニーリング効果は、測定誤差内で、イオン種に依存しないことが分かった。
菱沼 章道; 實川 資朗
Annales de Physique, 22(SUPPL.3), p.163 - 170, 1997/06
核融合炉へのステンレス鋼の応用として、その使用温度と考えられている低温(400C)での照射挙動を明らかにすることを目的に、これまでに日米照射実験で得られたデータを中心に、中性子照射したステンレス鋼の引張特性をまとめた。同時に、その特徴をもとにその使い方について議論した。ステンレス鋼は、約7dpaの照射を受けると、著しい延性の低下を伴って大きく硬化する。さらに特徴としては、降伏後の加工硬化がほとんど生じないことである。さらに照射量を18dpaまで増やすと、延性がさらに低下するが、強度特性はほとんど変わらない。このような照射材の挙動を、真応力-真歪みの関係で表せば、冷間加工材のそれと良く似ていることが分かる。これは、照射材の応用研究に非常に有効である。
北條 喜一; 大津 仁*; 古野 茂実; 笹島 尚彦*; 出井 数彦*
Journal of Nuclear Materials, 239(1-3), p.279 - 283, 1996/00
被引用回数:14 パーセンタイル:74.17(Materials Science, Multidisciplinary)TiCは低温(~20K)照射において非晶質化し難い物質であるが、水素イオン照射では非晶質化が起る。これは水素とTiやCとの化学結合が再結晶化を妨げているためと考えられる。一方、重水素イオン照射では非晶質化は起こらない。これはトンネル効果による化学反応のし易さが水素と重水素とでは10~100倍異なり、この効果が極低温で現れたものと推論した。
瀧上 眞知子*; 伊藤 均
食品照射, 31(1-2), p.4 - 7, 1996/00
食品を栄養成分変化が少ない状態に保つために、冷凍は最も優れた方法の一つである。-12C以下では、微生物の増殖は完全に抑制され、細菌の一部は死滅する。また冷凍下で食品にガンマ線を照射すると、成分変化が少ない状態で殺菌、滅菌されることが知られている。しかしながら極低温下照射による微生物感受性については、詳細な研究はほとんど行われていない。そこで、E.coliをモデルに、極低温下でのガンマ線感受性ならびに突然変異誘発について検討したところ、次の諸点が明らかにされた。すなわちいずれの菌株においても、ガンマ線感受性は室温、ドライアイス・メタノール、液体窒素温度での照射の順に低下した。またグリセリンを添加することにより、ガンマ線感受性は大幅に低下したが、その影響は、照射温度ならびに菌株により異なった。突然変異の誘発についても、菌株により、照射温度ならびにグリセリンの影響が異なった。
K.Humer*; H.W.Weber*; E.K.Tschegg*; 江草 茂則; R.C.Birtcher*; H.Gerstenberg*
Journal of Nuclear Materials, 212-215, p.849 - 853, 1994/00
被引用回数:7 パーセンタイル:56.56(Materials Science, Multidisciplinary)高分子複合材料の機械的性質に及ぼす放射線損傷の影響を3つの観点から調べた。第1の観点は、引張り強度の耐放射線性に及ぼす放射線の種類の影響である。第2の観点は、極低温(~5K)で照射された試験片を一旦室温に昇温したときとしないときの劣化挙動の比較である。第3の観点は、種々の高分子複合材料の耐放射線性の比較である。その結果、3次元強化のビスマレイミド複合材料は、すべての照射条件下において、最も高い耐放射線性を有することが分かった。
北條 喜一; 大津 仁; 古野 茂実; 出井 数彦*; 塚本 哲生*
Journal of Nuclear Materials, 212-215, p.281 - 286, 1994/00
被引用回数:15 パーセンタイル:77.07(Materials Science, Multidisciplinary)TiC結晶にヘリウムイオンを照射し形成された照射欠陥形成挙動を100Kから1500Kの試料温度範囲でその場観察した。イオン照射は400kV電顕付設のイオン加速器を用いて、加速電圧20kVのヘリウムイオン(2.510/cm・s)で行った。その結果、100Kから1300Kまでの温度範囲では、ヘリウムバブルは数nm以上成長しないことを明らかにした。又、100KでもTiC結晶は非晶質相が形成しないことを示した。さらに、焼鈍実験の結果、多量のヘリウムがTiC中に蓄積していることも明らかにできた。バブル成長は1400K前後で始まり、1500K以上で促進することも明らかにできた。
菱沼 章道
日本原子力学会誌, 33(10), p.926 - 932, 1991/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)HFIR/ORR日米共同照射実験で得られた最近のデータを中心に、ステンレス鋼の構造材料としての応用の観点から主として室温~400Cの低温領域における基本的照射特性を、核変換によるHeの効果を含めて紹介する。ステンレス鋼の低温照射特性の劣化は予想以上に大きいこと、低温クリープ、照射誘起腐食等の研究をさらに発展させる必要があること、また核融合炉材料の照射実験ではスペクトル調整照射が重要であることが明らかにされた。
川端 祐司; 高橋 秀武
JAERI-M 86-139, 73 Pages, 1986/09
JRR-3改造計画では、長波長中性子を効率良く取り出す為に、液体水素で熱中性子を減速する冷中性子源装置の設置を計画している。減速材容器は、液体水素を重水反射体中に貯留する容器であり、極低温の液体水素温度(約20K)から高温(約400C)までの温度範囲にわたって高線量で長期間にわたる照射を受ける。そのような厳しい照射条件下で水素を確実に閉じ込めなければならない。さらに容器は中性子を効率良く取り出す為に薄肉で扁平な水筒型としなければならないため、強い機械的強度が求められる。従って、使用期間が長く、且つ、広範囲の温度条件下において機械的強度が強い材料を選定する事が重要である。この為、極低温照射材料について調査すると共に、これら材料についてその機械的強度を評価した。この結果、JRR-3改造炉における冷中性子源装置の減速材容器材料としては、A286を用いる事が適切であるとの結論を得た。
山岸 滋; 谷藤 隆昭
Journal of Nuclear Materials, 59(3), p.243 - 256, 1976/03
照射後実験法により、低温で核分裂中のUOからのFPのノックアウト放出および擬反跳放出について研究した。約200C以下の低温では、擬反跳放出率は壊変定数に依存せず、FPが核分裂で生成した直後に約7の表面層から完全に放出されるのに相当することがわかった。この放出に対して、「自己ノックアウト」モデルを提案した。ノックアウト放出に関しては、種々のfactorに対する依存性から、FPのノックアウト放出は、実効厚さ約20の表面層から起こること、および、表面をよぎる一個の核分裂片がノックアウトするUOマトリックスの形は直径約32厚さ約27の円筒(すなわち、ウラン原子数換算で約660個)に相当することがわかった。これらの結果をもとに、過去におこなわれたFPガス放出のインパイル実験で導かれた結論について再評価を行なった。